ACIDMAN「輝けるもの」を叩いてみた　ドラマーが語る、感動の一打

「輝けるもの」はACIDMANの中でも独特な気持ちを揺さぶる楽曲で、その雄大なサウンドスケープをドラムで表現することは一つの挑戦でした。

この曲では、ドラムのテクニックや表現力を最大限に引き出すことに重点を置きました。

まず、楽曲の特徴である建て上げるような緊張感と盛り上がりをドラムでどう表現するかを考えた時、動的なレンジのコントロールが鍵になります。

イントロとサビへの遷移で使用するフィルインは、単にリズムを変化させるだけでなく、曲のエモーショナルな流れを体現するために、細かいダイナミクスの変化を入れるよう心掛けました。

具体的には、イントロで使用するシンバルの軽いタッチから徐々に力強さを増していき、サビではフルオープンのハイハットやクラッシュシンバルで大きな盛り上がりを作り出すことで、楽曲の持つ広がりとエモーショナルなピークを表現しました。

ここでは、表情豊かなシンバルワークが重要になります。

また、ドラムパートの中でバスドラとスネアのキックパターンを工夫した点もあります。

この曲でのリズムは比較的シンプルで直感的ですが、特定のパートでスネアのオフビートを強調することによって独自のグルーヴを生み出しました。

これは曲の持つ緊迫感を高める効果があります。

さらに静と動のコントラストを表現するために、ブリッジ部分では極力シンプルなビートを心掛け、透明感と静けさを演出しました。

この「静寂」から「爆発」へのドラマティックな変化は、ドラム演奏で楽曲の物語を語る上で非常に効果的です。

このようにして、「輝けるもの」のドラムパートを通して、ACIDMANの曲が持つ深い感情や曲の進行を最大限に引き出すよう努めました。

テクニックだけでなく、曲に対する解釈や感情の込め方が、この挑戦を成功させるために不可欠でした。

「輝けるもの」でのドラムパートでは、一番技術的に挑戦的だったのは、複雑なリズムパターンとダイナミクスの細かいコントロールです。

この部分では、曲の感情的な機微を豊かに表現するために、非常に正確なタイミングと力加減での演奏が求められました。

特に、曲中に登場する急速で細かく刻まれたフィルインや、急激なダイナミックレンジの変化は、技術的にも感情的にも大きな挑戦でした。

この難易度の高い部分を克服するために、まず基本的なリズム感を磨くことから始めました。

メトロノームを使用して、正確なビートを保つ練習を重ね、徐々に難易度を上げていきました。

次に、様々なダイナミックレベルでの演奏を練習し、それぞれの強弱が曲の流れの中で自然に聞こえるように努めました。

また、複雑なフィルインを正確に演奏するために、それらを小さなセクションに分けて練習し、徐々にテンポを上げていきながら、全体の流れの中で自然にフィットするようにしました。

最も重要だったのは、曲全体の構造を理解し、それぞれのパートがどのように全体と関わっているかを把握することでした。

これにより、細かいテクニックやリズムの変更だけでなく、曲全体の流れや感情の動きを自然に表現することができました。

このようにして、最も挑戦的な部分を克服し、演奏において深みと表現力を持たせることができました。